1. 経営理念・方針
I. 健康経営方針
持続可能な会社であるためには、何より従業員とそのご家族の健康を第一と考え、働きやすい環境を構築すべく一人ひとりの健康に着目し、健康経営に取り組みます。
また、従業員自身が健康について向き合い、より豊かな生活を送れるよう健康習慣の定着を目指します。
II. 健康経営宣言
「当社は、社員とそのご家族の心身の健康を第一に考え、生き生きと働ける職場環境づくりに努め、 スバルに関わる全ての人々に愛される企業を目指します」
宮城スバル自動車株式会社
健康経営最高責任者 小笠原 巧
III. 宮城スバル健康宣言
「宮城スバル社員一同は、心と身体の健康のため宮城スバル健康宣言のもとで、生き生きと働ける職場環境づくりに取り組みます」
宮城スバル自動車株式会社
社員一同
Ⅳ. 宮城スバルブランド
従業員とその家族の健康を第一に考え取り組むことが、その先に必ずある「新たな価値の創造と提案」に繋がり、「宮城スバルに関わるすべての人々の人生を豊かに」出来ると信じています。
Ⅴ. 行動計画
ワークライフバランスの取れた働き方、誰もが自分らしく働ける職場環境の実現を推進する事で企業の魅力向上を通じた人財確保に向け、次のように行動計画を作成致します。
2. 健康経営の目的
I. 健康経営で解決したい経営上の課題
現在、自動車業界を取り巻く急激な環境変化や様々な社会課題を解決する上では、従業員の定着と継続的な採用が不可欠であり「中長期的な企業価値向上」に向け従業員一丸となり取り組むことが重要ある。一方で、昨今の働き方改革や長時間労働の是正が提唱される中で、企業の競争優位の源泉は従業員とその家族の健康であり、何より重要な課題と認識して「従業員のパフォーマンス向上」と合わせて両軸として取り組みます。
II. 健康経営の実施により期待する効果
- 「中長期的な企業価値向上」
- 従業員とその家族を第一に考え健康経営に取り組むことで「労働生産性の向上」に繋げ、中長期的な企業価値向上に最も重要な従業員と企業との相互理解度が上がることを期待している。
- 「従業員のパフォーマンス向上」
- 従業員の心と身体の健康を維持するための制度拡充や投資を行い、従業員のライフステージの変化に対応しながら将来に対する不安を解消することで従業員のモチベーションとパフォーマンス向上を期待している。
III. 健康経営全体の具体的な数値目標の設定に至った背景・根拠
健康経営に取り組む中で重要な観点は、「健康投資」と「健康投資施策の取り組み状況に関する指数」はイコールであり、「従業員の意識・行動変容」を的確に把握するため企業と従業員の相互理解度を意識して取り組む必要があると考えます。他方で、弊社の業務内容は様々な法令・環境対応も行いながら多くのステークホルダーと関りを持って業務を行う必要があり、従業員が内外的に受けるリスクを適切に把握し対処することで心身共に健康であることが「ワークライフバランスが取れた働き甲斐のある職場」であると考え「ワークエンゲージメント」と「プレゼンティーイズム」指数に着目しています。
Ⅳ. 具体的な数値目標
3. 健康経営の推進体制
I. 経営層の体制
弊社の健康経営組織体制は、目標達成のための推進と最終意思決定を行うため、健康経営最高責任者が施策立案から検討・検証まで参加する体制を取っている。
また、健康経営の効果を検討するにあたり、1年間の取り組みについても健康経営最高責任者が全従業員との対話会を通じて検証を行っている。
Ⅱ. 実施体制
健康経営に効果的に取り組むために、サスティナビリティコンプライアンス推進課を専任部署とし統括している。また、多くの知見を取り入れることを目的として、産業医や社会保険労務士と定期的に情報の共有や、社内で資格取得を行うことで最前線で勤務している従業員の健康に資する情報の収集も確実に実行する体制としている。
- ■推進部署
- ■連携体制
- ■社内有資格者
Ⅲ. 健康組合等との連携
健康保険組合と連携し、予防・健康づくりの取り組み状況や健康状態を可視化することで従業員の健康増進に繋げ、「人口減少・超高齢化社会・従業員の平均年齢の上昇」などによる健康リスクの増大や生産性低下といった課題に真摯に向き合い解決に努めます。
Ⅳ. 職場・従業員への浸透
組織推進体系図をもとに、様々な連携を組むことで従業員への健康経営に対する取り組みの共有を行っています。また、従業員への浸透度を確認するため経営トップによる対話会を実施することにより、一層PDCAサイクルを確実なものとする取り組みを行っています。
Ⅴ. 組織推進体系図
4. 健康経営の取り組み内容とその結果
I. 従業員の健康課題
自動車業界は産業別有給休暇取得日数について平均以下であり、サービス業でもあるため土日の取得率が悪い状況を統計結果をもとに労働組合と確認している。健康経営で解決したい経営上の課題でもある「中長期的な企業価値向上」と「従業員のパフォーマンス向上」に取り組むためにも従業員・労働組合・会社が一体となり取り組むことがワークライフバランス向上のため重要な課題である。
Ⅱ. 具体的な数値目標
Ⅲ. 具体的な取り組み内容
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①アブセンティーイズムの低減
- ◉ストレスチェック実施(2030年目標値 ストレスチェック受検率 100%)
- 従業員が抱えるストレスを適切に把握・対応することが重要と捉え、未実施者に対して適切なフォローを実施。
- ◉健康セミナー開催(2023年目標 受講率 100%)
- 従業員のメンタル疾患は企業の大きな損失に繋がるため、昨今の様々なハラスメントに着目し全社員参加型の研修を実施。
- ◉整備工場へエアコン導入(2030年目標数値 アブセンティーズム実績値 5日)
- 業務体系上でサービスメカニックの身体的疲労は大きな問題であり、傷病や重い後遺症が発生するリスクを下げるため全店舗へ設置型・移動型含めエアコン導入を実施。
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②運動習慣者率
- ◉ラジオ体操実施(2030年度目標値 ラジオ体操 100%実施 運動習慣者比率 25%)
- 2021年から全従業員の運動習慣向上のため、労働組合と社会保険労務士と協議を重ね就業時間を変更しラジオ体操を業務内に実施。
- ◉健康器具の設置
- 休憩時間等にも体をリフレッシュするため、全店舗へ健康器具の設置を行い就業時間内でも体を動かすことを推奨。
- ◉有給休暇計画取得(2030年目標値 平均有給休暇取得日数 20日)
- ワークライフバランス向上のため、有給休暇取得日数向上を目指した取り組みとして、労働組合と協力し定休日と土日併せて5日間連続長期休暇取得の運動を実施。
- ◉デジタルツールの導入(2030年目標値 平均月間所定外労働時間 15時間)
- 時間外削減に向けた取り組みとして、業務効率向上に繋がるグループウエアの導入や移動時間削減のためのWeb会議システムの拡充を実施。
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③ハイリスク者の治療継続率
- ◉感染症予防対策(2030年目標値 インフルエンザ予防接種率 80%)
- 従業員と家族の健康を第一として、インフルエンザ予防接種については健保組合と会社側協力の下で従業員は自己負担無し、家族についても一部費用のみで多くの方が接種できる体制を構築。
- ◉定期健診拡充実施(2030年目標値 定期健診受診率 100% 精密検査受診率 100% 保健指導参加率 100%)
- 従業員の健康に関して健保組合と協議を重ね、2020年から健康診断項目の拡充と健診・ドック費用を健保組合側と会社側が負担することで、従業員の自己負担を発生させない取り組みを開始。
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④喫煙率
- ◉受動喫煙対策実施(2030年目標 喫煙率 30%以下)
- 2020年から受動喫煙対策の一環として、喫煙所の設置を行い喫煙場所を限定することで喫煙環境整備と喫煙回数減少の対策を実施。
5. 健康経営の取り組みによる効果
I. 効果の基本情報
Ⅱ. 具体的な取り組みによる効果
健康投資施策 ①
- ■ストレスチェック実施
- 心のケアも大事。生き生きと働けるためにも毎年実施しています。
管理者はハラスメント研修やエンゲージメントサーベイ研修で学んだことを活かし、スタッフ一人ひとりと向き合いながらより良い職場環境作りに励んでいます。 - ■健康セミナー開催
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全従業員のアブセンティーイズム低減のため健康に関するセミナーを実施。
- ■部やサークル活動への参加推進
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部やサークル活動のサポートを通じて、社内・外の多くの方とのコミュニケーション促進と心身の健康を目指しています。
- ■取り組み状況に関する指標(ストレスチェック受検率・研修受講率)
- ■従業員の意識・行動変容に関する指標(アブセンティーイズムの低減)
- ■最終的な目標指数に対する効果(高ストレス者率)
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最終的な目標指標である高ストレス者率については、健康経営の取り組みを開始してから毎年目標に近づいている。
引き続き産業医と連携し、ストレス性疾患者を出さないために必要な情報の共有や適宜啓蒙活動を続け面談の案内や様々な資料提供を行っていく。
健康投資施策 ②
- ■全店舗健康器具の設置
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店舗毎に要望を聞き、ぶら下がり健康器具や振動マシーンの設置を行い、従業員の休憩時間等を利用してリフレッシュできる環境を提供しています。
- ■健康アプリの導入
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このアプリでは16種類以上の健康管理ができるため社員へオススメしています。万歩計や体重管理はもちろん動画が豊富で、本格的なエクササイズが自宅でもできる内容となっています。
- ■全社員でのスポーツイベント実施
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運動習慣率向上を目指し2022年から、全社員を対象としたスポーツイベントを開催。健康経営で協力いただいている東京海上日動火災保険スタッフも参加。
- ■完全週休2日制の導入
- ワークライフバランス向上のため2021年4月、東北地区スバルグループで導入しました。
- ■時間外労働の削減
- 労働組合と協力して総労働時間の短縮や、時間外労働の削減に取り組んでいます。また、グループウエアの導入やWeb会議システムの拡充を実施。
- ■有給休暇取得促進
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労働組合とも連携し会議体での発信やポスター展開により、誰もが有給休暇を取得しやすい環境の整備と何より全社員が一丸となり実現していくことで、より魅力ある会社を目指し取り組んでいます。
- ■取り組み状況に関する指標(ラジオ体操実施率・平均有給休暇取得日数・平均月間所定外労働時間)
- ■従業員の意識・行動変容に関する指標(運動習慣者率)
- ■最終的な目標指数に対する効果(適正体重者率・傷病による休職率)
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コロナ禍の影響で、適正体重者率や所定外労働時間が前年を下回る結果となっている。他の指数については従業員の意識や行動に変化があったと評価している。
引き続き従業員の運動習慣向上に向け取り組んでいく。
健康投資施策 ③
- ■全店舗ウォーターサーバー設置
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ウォーターサーバー設置と熱中症予防対策として、塩タブレットや経口補水液を配付しています。
また、休憩スペースに設置してあるフリードリンクにカロリー表示を行い、健康増進に取り組んでいます。 - ■サービス工場への配慮
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サービス工場に移動式・固定式A/Cを全店舗設置。サービスメカニックの身体的疲労軽減を図っています。
- ■BP工場の安全性向上
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BPセンターは、板金・塗装作業に伴い多くの危険やケガのリスクが高い部門です。作業環境の安全性を確保することが重要と考え、厳しい一定の安全基準を満たし試験に合格することで認証を受けられる「TUV認証」の取得を実施。
- ■社員同士のコミュニケーション促進
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社員同士のコミュニケーション向上のため、立ちスペースを使った仕事中のミーティングや、多機能スペースを兼ね備えた食堂の設置。
- ■インフルエンザ予防接種率の向上と感染症対策
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従業員・家族・お客様に安心していただけるように、インフルエンザ予防接種については従業員とその家族に接種費用の援助を実施。
- ■歯科検診推奨
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歯から全身に広がる疾病があることを展開し、歯科受診を推奨しています。
住まいの各市町村から届く無料歯科検診を利用しての受診を促進し、健康意識向上を図っています。 - ■健康診断/精密査受診への取り組み
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定期健診の費用補助や健診項目の拡充、人間ドック開始年齢引き下げや費用補助、また再検査費用補助も含め実施。
- ■取り組み状況に関する指標(予防接種率・精密検査受診率・定期健診受診率)
- ■従業員の意識・行動変容に関する指標(ハイリスク者の治療継続率)
- ■最終的な目標指数に対する効果(離職率)
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定期健診や精密検査、治療継続については、目標に向け取り組みが進んでいる。一方でコロナの影響もあり予防接種率や離職率に影響があったと認識している。
今後の取り組みを再検討しながら関わる指数について検証する。
健康投資施策 ④
- ■全店AED、血圧計の導入
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健診結果から高血圧リスクを抱えるスタッフが多い現状を踏まえ、全店・全部署に血圧計を配置し、健康への意識付けを行っています。
また、緊急時に誰でも使用できるよう全店にAEDを設置しています。社内だけでなく、地域の方もご使用いただける体制を構築。 - ■受動喫煙対策
- 喫煙率低減のため、全店舗に指定喫煙場所を設置。従業員やお客様の喫煙回数減少に繋がる取り組みを実施。
- ■取り組み状況に関する指標(保険指導参加率)
- ■従業員の意識・行動変容に関する指標(喫煙率)
- ■最終的な目標指数に対する効果(平均勤続年数)
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定期健診や精密検査、治療継続については、目標に向け取り組みが進んでいる。一方でコロナの影響もあり予防接種率や離職率に影響があったと認識している。
今後の取り組みを再検討しながら関わる指数について検証する。
III. 経営課題に対する効果
弊社では、宮城スバルブランドを宣言し、「健康経営」・「環境経営」に取り組んでいます。宮城スバルに関わるすべての人々の人生を豊かにするためには、従業員やその家族の健康を第一に考え取り組むことが最も重要だと考えます。時代や環境の変化に柔軟に対応するため、ワークエンゲージメントを活用してより良い職場環境作りに注力していきます。
6. 労働安全衛生・リスクマネジメント
弊社では様々な労働災害リスクを低減させるため、リスクマップの作成を⾏いリスクマネージメント・コンプライアンス委員会を軸に労働安全衛⽣委員会第三者機関と連携し災害防止対策を実施しています。これまで重大な事故やケガは発生していませんが軽微なケガも含め労働災害ゼロを目指します。
第3者評価
- 公益社団法人 宮城県労働基準協会仙台支部
- 公益社団法人 仙台市防災安全協会
- 宮城県職業能力開発協会
- 東北運輸局